文章系の本をたくさん読んできましたが、いまのところこの本がいちばん好きです。
いくつかのテーマについて、私がメモしたものの中から感想を添えてご紹介します。
「料理のように」
最初のテーマ。
文章を書く人は料理人のように、食べる人(読む人)のことを考えて書きましょう、という内容。
このテーマが最初にあったことで、スイッチが入りました。
以前、まだこの本を読む前に私が書いたブログの内容と、ダブるところがあったからです。
同じように感じる人がいたことを、とても嬉しく思いました!
私は「文章を料理のように考える」ところまでは思いつ来ましたが、「読む人に美味しく食べてもらう」ところまでは言葉にできなかった・・と、つい悔しくなったテーマです。笑
つなぎ
ひとつのセンテンス(文)はなるべく短い方が良い、というテーマ。
日々気をつけているつもりでも、「しかし」「でも」「そして」というつなぎのことばをたくさん使いそうになります。(というか使ってる)。
これらのことばは、文と文のつながりに不安があると多くなりがちなようです。
振り返ってみると自分でも思い当たることが多々あり、グサッときました。
印象に残ったのは「むしろ、センテンスとセンテンスの間に多少の空白がある方が、読んでいてさわやかな感じがする。」という最後の一文です。
何て素敵なんだろう、と思いメモ。
功速
文章を速く書くことについて書いてあるテーマ。
わかりやすかったのが、この例え。
「自転車にのりはじめたとき、こわいから、あまり速くは走ることができない。おそるおそるゆっくり走る。するとすぐに倒れる。よけいこわくて走れない。
自転車は速く走れば走るほど倒れにくい。ゆっくり走れば走るほど、安定しにくく倒れやすい。はじめはそのことがわからず、苦労する。」
同じことが文章にも言えて、ある程度スピードに乗って書く方がサクサク書けるという例え話だったのですが、私はこれをそのままの意味で使いたいと思いました。
いつか自分のこどもが自転車の練習をする時が来たら、こうやって教えてあげよう。
「ゆっくりだと倒れやすいから、おもいきってこいでごらん」そして自分でもお手本を見せてあげよう、と。
たぶん、言いたいのはそこじゃないと思うんですが。笑
句読点に心を配る
「まねてみる」というテーマに書かれていた一文。
たまに、句読点が多くて、何を強調したいのかわからない文章があります。
独特のリズムが生まれるので句読点は重要ですが、むやみやたらに置くと読みにくいよ、というものです。
自分が書く時も気をつけたい。
文章は円を描くようなものである
「話は途中から」というテーマに書かれていた一文。
文章にはまとまりが必要で、書き始めのところへ戻ってきて終わると、読んでいる方が落ち着きを感じると書いてありました。
ブログを書いていても、結びをどうするかいつも迷います。
結びのヒントをもらえたような気がしました。
耳で書く
こういう表現がすごく好き!
耳で書くってどういうこと?って読まずにはいられないテーマでした。
声に出して読んでみることの大切さについて書いてあります。
「自分で書いた文がなだらかに読めないようでは、他人が読んでわかりやすいわけがない。」という一文にまたもやグサッ。
「多くの人がいいということはとにかくやってみる」ということばもあるんですが、もはや文章力どころではない説得力があります。笑
推敲
書いたものは必ず読み返す。
書き上げたら、意地悪な読者になったつもりで読み返す。わかりのいい友人のような読み方をしてはダメ。
ブログを書くときにも、プレビューを使って実際の見え方を確認したり、文章の組み立てが変じゃないか確認することはとても大事だと思います。
早く公開したいからといって焦ると、誤字脱字があったりなんとなく浅い文章になったりして後悔することもしばしば…。読んでくれた人もきっと気がついているはずだと思うと恥ずかしい!
パッと書けてすぐに更新!もいいですが、読む人のことを考えて整理するのは、速さよりも大切なことなのかも。
まとめ
ここに挙げた他にも、まだまだたくさん読み応えのあるテーマが並んでいます。
文章が「さわやか」とか、文章は「てんぷらのようなもの」とか、例えがうますぎる〜とひとり興奮状態。
作者と同じように私もこの熱い気持ちを何かに例えようと考えたのですが「飾りがありすぎるのは幼いのだと思ってよい」という一文で釘を刺されていたので、今回はやめておきます…。
書いたり読んだりすること自体が好きな人には、たまらない内容だと思いますので、ぜひ一度手にとって味わってみてください。